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開催報告:第3回兵庫県サッカーメディカルカンファレンス

 本年度で 3 回目を迎えた兵庫サッカーメディカルカンファレンスが2026 年 7 月 5 日(土) 神戸大学医学部会館シスメックスホールにて開催された。当日は悪天候の中、 医師、理学療法士、などに加えサッカー指導者やスポーツ医学分野での活躍を目指す学生など121 名が集まった。

  一般講演では医科学委員の抽冬氏より「サッカー現場における応急処置の最新知見と実践」と 題して、 自身のチームドクターとしての経験も交えて、ケガが起こった場合の対応について何を大切にすべきかについて講演された。急性心停止、脳震盪、頚椎損傷など稀なケースではあるが、 命やまたその後に人生に関わる重篤なケガとなる可能性があること を踏まえて準備が必要である とし、 CRT6 や SCAT6 などの評価基準を持っておくことの重要性を示された。 また応急処置として以前は RICE 処置が一般だったが、新しい概念として「PEACE & LOVE」の紹介もあった。 最後に安全な環境づくりとして事前にエマージェンシーアクションプランの策定の重要性にも言及され、 AED の位置や緊急連絡先、搬送経路や役割分担を事前に明確化しておくことを示された。(講演資料 抽冬晃司委員)

 続いて一般講演として前川氏からは「サッカー現場で本当に必要なテーピングとは」と題し、 テーピングの正しい役割とケガからの復帰プログラムについて講演された。 足首捻挫の発症数に対して、 再発件数の割合や慢性足関節不安定症(CAI)への移行率などが示され、ケガに対しての処置と復帰への対応の重要性も示唆された。その中でテーピングは万能ではなく「自動車におけるシートベルトの様なもの」と して、 テーピングを巻いたから事故(ケガ)をしないものではないが、正しい使い方をすることでケガの予防や再発を防ぐ効果があることも示された。 その上でケガの復帰基準は痛みだけでは不十分であり、総合的な評価で判断すること が選手の未来を守ること に繋がること を示唆された。(講演資料 前川慎太郎委員)

 最後に特別講演として、順天堂大学スポーツ医学研究室・准教授であり、 U21 日本代表内科ドクターの福島理文氏により「選手を守るために知っておきたいスポーツ現場の内科的対応」と題して、 ご自身のいわき FC のチームドクターでの経験や、日本代表でのメディカルスタッフの取り組みの中で、 熱中症や感染症の対策及び EAP の策定について講演された。 熱中症に関しては、 WBGT などの環境要因だけでなく、運動強度、 また個人の体調など身体要因などの組み合わせが原因になっていること が示された。 熱中症の予防策として運動前のプレクーリングを行うこ とにより深部体温上昇を抑制し、パフォーマンス維持に効果があることが示された。また体温冷却に関しては、 アイスバスが一番効果的ではあるが中々取り入れるのが難しい環境も多いことから 手掌冷却や日陰での送風でも効果が高いことが示された。感染症対策に関しては、 対策も大切ではあるが教育活動も重要で、どのような事で感染症から身を守れるかを知ることも大切とされた。最後に抽冬先生の講演でも示された EAP 策定に関してご自身が関わったインターハイでの取り組みを元に、策定だけではなく 実際に動くことの重要性を示された。インターハイでは 8 月の過酷な環境でも事前準備や各所の連携を徹底することで全 50 試合の中で、熱中症疑いで対応したものが 1 件に抑えることができたこと から、 実際の教育とリハーサル、各所の役割を明確にすることの重要性を示された。

  閉会の挨拶として、医科学委員長を務められる戸祭氏より、 教科書など書籍に書かれていることだけでなく今回の講演会のような現場での意見がこれからはとても重要になること まとめられた。またこれから兵庫県として力を合わせて、兵庫県から出てきた選手は一味違うなと思われる様な選手を育てていくために、 みんなで力を合わせて行くことが大切と示された事で、 兵庫県下のサッカー選手たちがより良いパフォーマンスを発揮するためにドクター・トレーナーなどのメディカルスタッフの関わりの重要性が再確認できる集まりとなった。

報告者 松崎 大輔

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