コラムVol.4【疲労回復にこだわっていますか?】
コラムVol.4【疲労回復にこだわっていますか?】
こんにちは。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの前川といいます。
みなさんは、こんな経験をしたことはありませんか?
ヘトヘトになるまで身体を動かした日の翌日、自分はまだ疲労を引きずっているのにもかかわらず、チームメイトの中には疲れを感じさせず、元気いっぱいで練習にやってくる選手がいます。このように、同じトレーニングや試合時間を行っているのにもかかわらず、なかなか疲労が抜けない選手と、すぐに疲労が抜ける選手がいます。その違いは、いったいどこにあるのでしょう?その答えこそが、「疲労回復能力」です。
“最高のパフォーマンス=「トレーニングの質や量×肉体的・精神的回復力」”
私は一番の基本となる言葉だと思っています。最高のパフォーマンスを発揮するために、本気で努力・練習をすることはもちろん大切です。しかしただ頑張るだけでは人間の身体は疲弊し成長できません。つまり疲労回復能力を高めることは日々のトレーニングと同じくらい積極的に組み込むことが重要です。
図はパフォーマンスピラミッドを表していて、個人の身体能力やパフォーマンスを向上させるために必要な要素を三角形の階層構造で整理したものです。このピラミッドがバランスよく構築されていることが、怪我を防ぎながら効率よくパフォーマンスを向上させる鍵となります。その土台となるのが「疲労回復能力」で、日々のライフスタイル(=生活習慣)が重要である」という考え方です。この土台の部分が大きければ、パフォーマンスを高いレベルに引き上げることができることが可能になります。土台が小さいとどんな素晴らしい選手でもいいパフォーマンスにつながっていきません。
練習以外での日常生活の過ごし方やよい準備がパフォーマンスに直結します。
各自が疲労回復のための行動(睡眠と休養、栄養および水分補給、ストレッチや入浴等)をしっかり日常化し、選手自身が自律すること、自己管理能力を身につけることが重要になります。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)、理学療法士
前川 慎太郎
参考文献:
- 前田弘(2020):「FIFAワールドカップでのコンディショニング-ATの立場から」『トレーニングジャーナル』pp.22-24.